声出し禁止、座ったままの応援

コロナ禍耐えるチアリーダー

「いるだけで気合い」グラウンドから感謝

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 2020年から流行した新型コロナウイルス感染症防止のため、専修大学のあらゆる部活動の大会が中止、延期、縮小となり、専修大学全學応援団の中の1つ、チアリーダー部「BLASTS」も大きな影響を受けた。緊急事態宣言下の対面練習の全面禁止、大会では「コロナルール」が適用され声出しは禁止、野球応援は座ったまま。大きく変化した状況に耐えながらの静かな応援だが、グラウンドの選手からは「いてくれるだけで気合いが入った」と感謝の言葉が投げかけられた。

「コロナルール」下、初の8位入賞

アメリカンフットボール部秋季リーグで、コロナ禍で空席が多い観客席を前に演技する専修大学チアリーダー部BLASTS(2021年11月6日、BLASTSの公式Instagramから)

 この大会直前、BLASTS出場メンバーが濃厚接触者となり、2週間の自粛を余儀なくされた。チアリーディングはベース、ミドル、トップ、スポットと4つのポジション分けがされており、空いたポジションの穴を急遽交代で埋めるという困難な事態に直面。限られた時間の中で仕上げるべく、大会直前に構成を変更し、完全な練習が再開したのは大会の3日前だった。

 2021年に開催された第23回関東チアリーディグ選手権大会で専修大学BLASTSは創設以来初となる8位入賞を果たした。同大会ではコロナルールが適用され、チアリーディングの醍醐味であるコールが全面禁止となり、声出しは減点対象に加わり、演技中に使用できるのは事前に録音した音声のみとなった。演技中以外はマスク着用、靴カバーの除菌も徹底。演技が終わり次第速やかに帰宅することが義務付けられ、他チームの演技を見ることは許されなかったという。公益社団法人日本チアリーディング協会のガイドラインをもとにつくられたルールだが、声が出せず、活気を欠く大会にやるせない気持ちだったと、メンバーたちは話す。

緊急事態宣言でオンライン練習

 緊急事態宣言が発令された間は、対面練習が全面禁止され、オンラインで練習を重ねる日々が続いた。主にzoomを用いて部員全員がお互いに顔を見ながら、各練習で指示を発する人のみ音声をオンにし、筋トレやコール、大会ダンスの練習を行ったという。現在は27人が在籍するチアリーディング部はこれまでトレーニング室(生田キャンパス)内で練習していたが、部員数と練習場所の広さの割合が感染防止ガイドラインに反していたため、現在は同キャンパス内のレスリング場や駒沢大学の体育館を利用している。

 接触がより多い競技でもあることから十分な感染対策が求められ、練習時のマスクの着用、自宅と練習前にと毎日の検温の実施、手洗い、アルコール除菌を徹底している。

踊り禁止、座ってボード掲げ野球応援

 BLASTSはチアリーディングの練習をする傍、野球部、アメリカンフットボール部、アイスホッケー部の応援活動も行っている。掛け声やダンスの振り付けが競技ごとに異なり、野球部はチャンステーマ4曲と5曲の専修大学応援歌、アメリカンフットボール部は17曲の応援コールと11曲のダンスがある。アメリカンフットボール部の応援活動はトライアウト(応援活動に参加するためのテスト)に合格した部員のみ参加できる。

野球部秋季リーグ戦で、コロナ対策のため座ったまま応援する専修大学チアリーダー部BLASTS(2021年10月6日、BLASTSの公式Instagramから)

 今年度はほとんどの大会が無観客で開催され、応援活動も一時は禁止された。10月中旬になり応援の再開が認められた後も、野球応援では着座したままの応援のみが許され、例年のように立ち上がった状態での応援はできなかった。座ったまま、ボードを掲げマスク越しに選手へエールを送り続けた。

 硬式野球部の北原拓未さん(経営学部経営学科3年)は「チームとしてチア部の応援がなかったり、いない時期は寂しく、ただの練習試合感があった。声出しができない応援でも、いるだけでより気合が入って、集中できた」と語った。選手だけでなく、会場全体を盛り上げ、観客とチームを繋ぎ一体感を生み出してくれる彼女たちだけに、中にはチアリーディング部の応援を楽しみに試合会場へ足を運ぶコアなファンも存在する。

 BLASTは現在、対面とオンラインの練習を並行している。部長の遠藤汐莉さん(経済学部国際経済学科3年)は「みんなに当たり前に会える日が待ち遠しいです。チームとして対面練習ができなかった分、チア初心者の技の習得、経験者のブランクを練習を重ねて取り戻し、また学年を超えてのコミュニケーションを行いたいです」と語った。