7月30日に閉店した「セブンイレブン専修大学生田校舎店」が年度内に新オープンすることが決まった。学内厚生施設を運営する会社で、同店の新オーナーとなる専大センチュリーがVIRIDISの取材に明らかにした。内装レイアウト、外装デザインともに大きく姿を変え、昼食時間帯の混雑緩和をはかるため自動ドアやセミセルフレジ導入を検討している。こうした内装、外装の工事に時間を要することなどから、年内の開店は困難になった。一方、新店舗再開までのライフラインとしてお弁当や軽食等を販売する臨時店舗が生田会館に開設されたが、学生の認知度が低く売れ行きは伸びず苦戦しているという。
混雑緩和にレイアウト大幅変更
難航していたセブンイレブン再開に明るい兆しが見えてきた。専大センチュリー部長代理の岡嶋紀夫さんは「年度内のオープンに向け順調に進んでいます」とうれしそうに答えた。「何としても年度内にオープンしたい」と、岡嶋さんは力を込めるが、再開の鍵を握るのは改装工事だ。前店舗運営の際に問題点となっていた、建物の老朽化と昼食時の混雑を改善すべく、外装の耐震補強を進めるとともに、店内のレイアウト改善に力を入れる。岡嶋さんによると、店内中央部に設置されていたレジが人の流れを食い止め、混雑する大きな原因となっていたため、人の流れがスムーズになるように設置場所を変更してセミセルフレジを導入するほか、ドアも手動から自動へと切り替える計画。現在は設計会社、建築会社へ依頼し、おおよその見積もりが出ている段階で店内はスケルトン状態になっている。店舗再開に必要な審査、研修が完了し、残すところは店舗の工事のみとなった。これから内装、外装工事を同時進行で進めていくという。
生田会館に臨時店舗 「場所わからない」と学生
新セブンイレブンの開店までの間、学生や職員の昼ごはんを賄うライフラインとして、生田キャンパス4号館近くにある生田会館1階に臨時店舗が開設された。10月18日から軽食を売っている。対面授業の再開が相次ぎ、学生や教職員の昼食の確保と食堂の混雑緩和をはかる。運営は専大センチュリーが管轄する購買会が行う。陳列されている弁当は約20種類で、他にもカップ麺やパン、菓子が並ぶ。
営業時間は平日の11時半から14時まで。12月23日までの営業を予定している。イートインスペースが確保され、利用者は商品を購入後、電子レンジや電子ポットを使用し、自由に飲食することが可能だ。しかし、認知度が足りないのが課題だという。店頭に立つ森智章さん(23)は、「(取材した11月12日の)来店数は55人程度。目標の半分だ」と肩を落とす。同藤井裕大さん(30)は、訪れる学生から「こんなところにあったんだ」という声も聞いたという。人間科学部社会学科4年の三村賢真さんは、「今日大学構内を歩いている際、看板をたまたま見つけたので来た。大学にほとんど来ていないから、存在を知らなかった。カップ麺の種類が豊富で嬉しい」と話した。
それでも、開店当初に比べると客足は増えておりピーク時には列ができる。今後は、作成したチラシの配布や看板の増設で認知度を上げていく。
品揃え希望「気軽に伝えて」
専大センチュリーはセブンイレブン専修大学生田校舎店オーナー大津和義さん(昨年11月急逝)が昨夏に閉店の意向を決めたことを受け、新たな店舗継続の方法を探っていた。専大センチュリー自体がオーナーになるべく準備を進め、店舗への来客数や予想される購入金額のシミュレーションや、建物の耐久性などの審査を受けていた。
店舗運営には責任者が最低2人必要。座学と直営店の両研修をそれぞれ7日間受講する。店舗の売れ行きや学生の利用状況に応じて、以前セブンイレブンで働いていたアルバイトやパート従業員の再雇用も検討しているという。
「オープンしたらたくさん利用してほしい、そして気軽にこれが欲しいなどという意見があったら伝えてほしい」と岡嶋さんは終始にこやかに話した。