専修大生田キャンパスの「セブンイレブン専修大学生田校舎店」が3月25日、8ヶ月間の閉店を経て新オープンした。新店舗では、セミセルフレジが導入され、充電器やティッシュ、100円ショップ「ダイソー」商品を含めた日用品の品揃えが豊富になった。藤井裕大店長(31)は、VIRIDISの取材に「4月6日からはセールも行うので、学生や地域の方など多くの人に来てほしい」と語った。同じ場所にあった前店舗は2021年7月末に閉店しており、専大生にとってのいわば「ライフライン」が久しぶりに復旧した。コンビニの復活を待ち望んでいた利用者からは喜びの声が聞かれた。
新店舗では多くの商品が棚いっぱいに並ぶ。「(前店舗に比べて)商品を積み上げ、高さを出している」と藤井店長。「揚げ物出来立てです!」といった声が飛び交い、店内は活気に溢れていた。前店舗では設置されていなかったフライヤー機も導入され、レジ横には揚げたての「からあげ棒」などが数多く陳列された。さらに昼間の混雑状況を改善するため、自動ドアを設置し、店員がバーコードを読み取り精算のみ利用客側が行う「セミセルフレジ」を導入。オープンする上で課題だった建物の耐震性も、店内に強化柱を立てることで解消した。新店舗について大学院文学研究科で地理学専攻の大久保優さん(24)は、「ここしばらくコンビニが近くになくて不便だった。(新店舗になって)店舗内も綺麗になった印象がある。来年度も、もっと利用してみたい」と語った。ほとんどの商品はすでに揃っているが、タバコは3月29日から販売する予定という。
健康診断のため大学を訪れ、来店した経営学部ビジネスデザイン学科新4年の渡邊瑞希さんと小長井秋希さんは、「今日オープンなのは知らなかった。前に比べて商品の品揃えも増えているようで嬉しい」と話し、8ヶ月ぶりのコンビニの復活を歓迎した。部活帰りに来店したフェンシング部に所属する経営学部経営学科の新4年の水上映斗さんは、「寮の近くにコンビニがあるととても助かる。部活生にはありがたい」と語った。やはり同部所属で文学部ジャーナリズム学科新4年の菊池正太郎さんは、「他の部活生から、オープンすることを聞いた。今日来てみて、フライヤーが新しくなっていて嬉しい」と買ったばかりで香りの漂う「ななチキ」を片手に話した。
一方、健康診断のため大学を訪れた学生からは、開店について知らなかったとの声も聞かれた。この店舗を運営する専大センチュリー購買部兼営業部の岡嶋紀夫部長は、オープン初日の店舗を外から眺め「たくさんの人に来てほしい」と見守った。
前店舗から引き続きパート勤務に携わる永田敬子さん(58)は、利用客が増える新学期に向け、「新しく覚えることがあって大変。それでも、来てくれるお客様のためにレジなどもうまく使えるように頑張りたい」と意気込む。同店では、4月6日から8日まで、サラダや麺類、セブンイレブンのオリジナル商品などの開店セールを行うという。しばらくの間は、4月9日以降に使えるクーポン付きのチラシを配布する。「地域の人も利用しやすいように」調味料の種類を増やし、米類や日用品も導入した。店頭に並ぶ商品は2000を超えるという。
生田キャンパスでは2008年9月から、民間オーナーによるセブンイレブンが営業していた。だが、新型コロナウイルス禍での授業オンライン化による通学者激減などで経営が難航。オーナーだった大津和義さん(当時69)が20年11月に死去したことも重なり、21年7月30日、約13年の歴史に幕をおろした。その後は学内厚生施設を運営する「専大センチュリー」が新たなコンビニエンスストアの開店を模索しながら、セブンイレブンに代わる臨時店舗を生田会館に設置するなどしていた。
再オープンに向けては、耐震対策が条件になっていた。専大センチュリーでは、新店舗に筋交いを増強し柱を3本設置するなど、耐震性を強化した。3月16日の地震でも特段問題なかったといい、「万全の対策を行った」と岡嶋さんは胸を張った。