マイバッグ、50回使えば効果
「地球のためにマイタンブラーを始めました」という声をソーシャルネットワークサービス(SNS)上でよく見かける。タンブラーやマイバッグを使う「エコ生活」は流行のように広まったが、果たして本当に地球に優しいのか。エコのキーワードは「持続可能」だ。使い捨ての袋や容器のために資源を使い続け、地球温暖化の原因になる二酸化炭素(CO2)を出し続けるという社会は、永久には持続できないと、環境政策を追究する公益社団法人「地球環境戦略研究機関(IGES)」の専門家は指摘する。エコバッグやタンブラーは短期的には生産コストや資源を多く使うことを念頭に、レジ袋やプラスチックのカップよりも環境負荷を減らすには、短期的で捨てず、繰り返し使い続けることが肝心だという。
コロナで舞台2度延期
日本大学藝術学部演劇学科3年の川村帆香さん(21)は、大学に入学した2019年から舞台や映像作品に出演を続け、学生のかたわら俳優としても活動している。その生活の2年目に差し掛かるところでコロナ禍に直面した。オーディションを通過し、出演が決定していた舞台は緊急事態宣言で延期され、仕切り直して開かれた公演も出演者の陽性が判明し、2度の公演延期に見舞われた。流行が深刻化して1年。実社会を知って演技の幅を広げようと、新たにSNSマーケティングのインターンシップにも参加、そこで学んだ技術を生かした事務所経営も展望し、川村さんの目標は広がっている。
稽古も公演もコロナが変えた
静岡と東京で役者として活躍している大石樹さんは小学生の時から舞台に立ち続けている。2020年春、東京での活動を開始したところを直撃したのが新型コロナウイルスの流行だった。舞台の公演の形はもちろん、稽古の仕方も大きく変化した。感染対策のため客席は少人数になり、稽古日程は最低限の日数になった。地方公演ではホテルに缶詰めとなり、観光もなし。オンライン配信の公演では、観客の拍手も舞台には聞こえない。厳しい逆境の中でも、大石さんはアルバイトで生活費を稼ぎながらコロナ後を見据え、舞台への出演を続けている。
視覚障がい学生、オンライン講義アクセスに壁
新型コロナウイルスの影響によるオンライン講義に、視覚障がいを持つ学生はアクセス困難という思わぬ事態が起きていた。オンライン講義はパソコン画面上の複雑な操作が必要となり、講義内容もプレゼンテーションスライドや文字を画面に表示しての説明が増え、視覚に頼る部分が多くなるためだ。一方で、精神的な障がいを持つ学生にとっては、他者との直接的なコミュニケーションが減り、授業参加のハードルが低くなるといったオンライン講義の思わぬ利点もあった。専修大学障がい学生支援室は、オンライン講義に戸惑う多様な特性を抱える学生たちへの対応と、学内全体に障がいへの理解を広めるために奔走する。
だから私たちは妻の姓を選びました。
「妻の名字にして30数年たった今はどうってことないよね、大変と感じたのは当時だけで後は流れていく感じ」。三重県四日市市に住む加藤保彦さん(60)は笑顔で語った。保彦さんの旧姓は山本。妻、小百合さん(58)との結婚を機に苗字を変える決断をした。日本の結婚制度は夫婦が同じ名字にすることを義務づける。夫と妻、どちらの名字にすることも法律上は自由だが、厚生労働省「婚姻に関する統計」によると、現実には妻の名字を選ぶ人は2015年の数字で4%にとどまる。保彦さんもその一人だ。
芸術家のYouTube発信を支援
川崎市は、新型コロナウイルス感染症の拡大で活動の場を制限されている文化芸術の担い手を支援するため、動画配信サービスYouTubeに芸術活動の動画を投稿するための奨励金を支給した。川崎市に住所か活動拠点がある芸術家を対象に、支給額は1人あたり5万円で、これまでに音楽、舞踏、伝統芸能など計247本の動画がアップされた。支給を受けた芸術家からは「気持ちが沈みそうなとき、とてもありがたかった」「コロナの助成金といっても除菌だけではなく、表現するため必要なことがある」と声が寄せられた。同市は劇場や音楽ホールの使用料の半額助成事業も開始。これらの支援策には、川崎市を音楽文化の拠点にする「音楽のまちづくり推進事業」や、障害の有無に関係なく芸術を楽しむ「Colors かわさき2020展」など、文化政策に力を入れる川崎市の姿勢が背景にある。同市は、コロナ禍で苦境にある芸術家に手を貸すため、異例のスピードで事業を実現したと説明する。
それでも自分らしく「かわいい」を
美容専門学校に通うたけたろうさん(19)=本名非公開=は赤や黄色、青など鮮やかな色のポップで個性的なメイクアップをインスタグラムに投稿し、性別を超えたメイクを楽しむ様子を積極的に公開している。常に「かわいい」を求めて研究を続け、自分の「かわいい」要素をSNSに詰め込んで、真似されるよう励んでいるという。ジェンダーレスやユニセックスといった言葉がよく聞かれ、ファッション業界では性別を超えたスタイルが主流化しつつある中でも、男性がメイクをすることはまだ女性のメイクほど一般的ではない。たけたろうさんも周囲から否定的な視線を感じた経験があるという。すべての人に受け入れられるわけではなくても、インスタグラム、ティックトック、ユーチューブなどSNSを通じて「かわいい」と「自分らしさ」とを追求することをあきらめなかった。
生田セブンイレブン閉店
2021年7月30日午後3時、専修大学生田キャンパス構内の「セブンイレブン専修大学生田校舎店」が閉店、営業を終了した。2008年9月22日にオープンした同店は13年の歴史に幕を下ろした。常連客の大学職員からは「毎日お世話になっていた」と閉店を惜しむ声も。11年4か月の間、店長を務めた木村昌裕さん(62)は「あっという間に閉店当日を迎えた。今はお店の片付けに追われてます」とにこやかに話した。
学食3店舗、売り上げ6割減
新型コロナウイルスの影響で専修大学も他大学同様オンライン授業が続き、多くの学生が大学に登校しなくなっている中、大学学食の経営は厳しい状況に置かれている。専修大学生田校舎のCABIN(9号館)、VIEW(食堂館)、NAPTIME(同)を経営する富士ベーカリーによると、この3店舗の売り上げは昨年より対面授業が増えた今年4月以後も通常の6割減になっている。仕入れを絞ったりメニューの種類を減らしたりする一方、新たに始めたパン工場直売と、コロナ対応の公的助成金に支えられ、窮地を乗り越えようと奮闘している。学食スタッフは、以前のように学生との交流ができる日を心待ちにする。
「検診はしご」で乳がん発見
話題づくりにと「検診のはしご」を試みたところ、偶然乳がんが見つかった−−。滋賀県在住の塾講師、岸本真弓さん(50)は、昨年、自身の乳がん発覚から克服までを記した電子書籍を出版し、現在は講演家としても活動している。新型コロナウイルスの影響によりがん検診受診者が減少傾向であり、がん啓発活動も難しいという状況の中、抗がん剤治療をしながら働いた経験を踏まえ、がん検診の積極的な受診を訴えている。活動を支えるのは、同じく乳がんを患った母への思いだ。